陸上自衛隊は8日、静岡県の東富士演習場で戦車や火砲を使った国内最大の実弾射撃演習「富士総合火力演習」を実施した。例年同様、離島での戦闘を想定し、敵の侵攻を食い止め、反撃するシナリオだ。
敵に見立てた標的に向け戦車や火砲が次々と射撃。「ドーン」という音が響き、着弾とともに土煙が上がった。対戦車ヘリコプターや輸送機V22オスプレイ、偵察用ドローンも飛行した。反撃能力(敵基地攻撃能力)保有のため開発中の長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾能力向上型」を初めて展示。中谷元・防衛相らが視察した。
かつては2万人以上の観客を集めたが、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降は一般に公開していない。今年は陸自のユーチューブで中継した。
陸自によると、約2千人の隊員が参加し、昼夜の2回の演習で弾薬計約76・6トン(計約8億7千万円相当)を使用。自衛官の募集につなげるため、学校関係者らを招待した。