シングルマザーや非正規雇用で生活が苦しい女性に対し、バングラデシュで誕生したグラミン銀行の日本版「グラミン日本」が無担保の少額融資に取り組んでいる。リスキリング(学び直し)や起業も支援し、職を手に入れて安定した収入が得られるよう「伴走」をしている。
宮城県気仙沼市に住む菅野奈津子さん(45)は小学5年生の娘を育てるシングルマザーだ。東京で結婚し、2012年に地元の気仙沼市に戻った。その後、出産と離婚を経験。地方では男性と比べ女性の働く手段が少ないと感じ「格差を解消したい」と思うようになった。
そうした中でグラミン日本を知った。グラミンでは融資を受ける5人一組のグループを作る仕組みがあり、グループで協力し合いながら、それぞれが返済を目指す。
菅野さんはグラミンから15万円を借りてビジネススキルの習得に充て、働きたい女性と企業をつなぐ会社を設立した。
グラミンは18年から国内で活動を開始。1人あたり最大50万円の融資を実施し、25年2月末までの融資額は計80件で約1800万円に上る。