政府は10日、2025年版の高齢社会白書を閣議決定した。60歳以上に現在の家計の状況を尋ねたところ、1人暮らしの人は「多少心配」「非常に心配」との回答が計41・5%だったとする調査結果を盛り込んだ。物価高や貯蓄の少なさを懸念する人が多い。内閣府は、高齢期の就業による安定収入の確保や若い時からの資産形成促進が重要としている。1人暮らしの高齢者が増えると見込まれる中、孤独や孤立を防ぐ体制の整備が急務だ。
1人暮らしの人の家計は「ゆとりがなく多少心配」が23・5%、「苦しく非常に心配」が18・0%だった。ほかに「あまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」が39・9%、「ゆとりがあり全く心配なく暮らしている」が12・8%など。
1人暮らしでない人は「多少心配」が21・0%、「非常に心配」が7・2%。1人暮らしの人の方が「心配」と答えた割合が高かった。
家族形態を問わず、経済面の不安を複数回答で聞くと「物価上昇」が74・5%で最多だった。