長崎県警佐世保署の40代男性警部補が2020年に自殺したのは上司2人のパワハラなどが原因だとして、遺族が県に約1億3千万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、長崎地裁(松永晋介裁判長)は10日、賠償を命じた。県警はうち1人のパワハラを認定し、懲戒処分をしていた。

 訴状によると、男性は20年3月、佐世保署に配属。同9月、上司の交通課長から「捜査能力がない」「係長をやめろ」などと言われたほか、署長から課長を通じサービス残業を指示され、時間外労働が月200時間以上に及んだこともあったとしている。

 同10月、署長と課長のパワハラを示唆する遺書を残し、自宅で自殺した。県警は同12月、課長のパワハラを認め戒告の懲戒処分に、署長については監督責任を問い本部長注意とした。2人は依願退職した。

 男性は22年1月、長時間労働や職場でのいじめにより精神疾患を発症し自殺に至ったとして、公務災害に認定された。