政府は10日の閣議で、2025年版「交通安全白書」を決定した。千葉県八街市で下校中の小学生5人が死傷した21年6月の飲酒運転事故を受け行った緊急対策に関し、暫定的な安全措置を含め23年度末までに対策が100%講じられたと記述。歩行中の小学生が関係した20〜24年の交通事故を分析したところ、通学路などの最高速度を30キロに規制する「ゾーン30」で死者はいなかった。
20〜24年の交通事故全般において、小学生の死者・重傷者は3370人だった。歩行中が1875人で55・6%を占めた。歩行中のうち登下校時が38・2%に上った。
八街市での事故を受け、政府は信号機や横断歩道の設置の有無、通行車両との十分な間隔確保といった観点から、小学校の通学路を対象に合同点検を実施。全国7万6404カ所について「対策が必要」と位置付けた。23年度末までに94・4%は対策済みとし、注意喚起の看板を歩道に設置するなど暫定的な措置を含めると100%に達した。