三重県は13日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に県内の獣医師が感染し死亡したと発表した。感染経路は明らかになっていないが、獣医師は亡くなる前、感染したネコの治療に従事していた。
SFTSは、主に森や草むらでウイルスを保有するマダニに刺されることで感染し、致死率は6〜30%と高い。報告を受けた日本獣医師会は全国の獣医師に対し、治療に当たりゴーグルやガウン、手袋の装着など、感染防御を徹底するよう注意喚起している。関係者によると、獣医師が感染したペットを治療した後に死亡する事例は珍しい。
県などによると5月、県内で動物病院を開業する高齢の男性獣医師がSFTSに感染したペットのネコの治療後、呼吸困難などの症状を訴えて亡くなった。死因はSFTSだった。他の病院関係者などへの感染は確認されていない。
近年感染したペットからうつったケースや、患者の血液などへの接触により人から人への感染も確認されている。6〜14日の潜伏期を経て、発熱や嘔吐、下痢などの症状が現れる。