豊臣秀吉が築いた初期の伏見城の跡地(指月城跡、京都市伏見区)で、建物跡が見つかったことが17日、京都市文化財保護課への取材で分かった。指月城跡で石垣や堀は確認されていたが、建物跡の出土は初めて。柱を支える大型の礎石や金箔瓦の破片などが見つかり、同課は遠くを見渡すための高層の「望楼」など城の主要施設だった可能性を指摘する。
指月城は秀吉の隠居後の住まいとして1592年から築城が始まり、後に天守を備える本格的な城郭となった。96年の慶長大地震で倒壊し、近くの木幡山に新たな伏見城が再建された。史料が少なく謎が多いとされ、実在が疑われた時期もあった。