雑誌編集に関わったフリーのライターやカメラマンに取引条件を明示せず、報酬を期日までに支払わないなど、フリーランス法違反に当たる行為があったとして、公正取引委員会は17日、出版大手の小学館と光文社(いずれも東京)に取引の適正化や再発防止を求めて勧告した。公取委によると、昨年11月の同法施行後で勧告は初めて。
公取委の認定事実では、小学館は月刊誌や週刊誌の記事、写真データ、イラストの作成、ヘアメークなどの業務をフリーランスに委託しており、昨年12月に191人に委託した際、報酬額や支払期日といった取引条件を書面やメールで明示しなかったほか、期日までに報酬を支払わなかった。光文社は昨年11月〜今年2月、31人に同様の行為をした。
取引条件の説明は大半が口頭でされ、報酬額は明言されないケースがあった。同法は製品や成果物の受け取りから60日以内に報酬を支払う義務を定めるが、多くで遅延があり、誌面掲載後になることが常態化していた。
小学館はフリーランス約2千人、光文社は約4千人と取引があるとされる。