架空取引で資金を動かす手法で、中古車情報サイト「グーネット」を運営するプロトコーポレーション(名古屋市)から現金をだまし取ったとして、愛知県警は18日、詐欺容疑で、同社元事業部長の男(50)と、取引先企業の代表取締役の男(51)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。県警は移動された資金の一部が両容疑者に渡っていたとみて調べる。
捜査関係者によると、逮捕容疑は共謀して2023年、プロトから約3千万円をだまし取った疑い。架空売り上げを計上し、業務の外注費として取引先企業に支出した資金を循環させることで売掛金の回収を偽装する手口だったとみられる。
社内調査で不正を把握したプロトは昨年11月、元事業部長を懲戒解雇。同12月、外部弁護士らでつくる調査委員会の報告書を公表した。
報告書によると、不正は遅くとも14年に始まり、24年3月まで続いた。架空の売上額は約19億5千万円に上り、約2億1千万円が社外に流出したという。元事業部長は不正を始めた動機について「売り上げ達成のプレッシャー」と話した。