原子力規制委員会は18日に定例会合を開き、原発事故時の防災対策を定めた「原子力災害対策指針」の改正案を了承した。一般からの意見公募を経て、9月にも正式決定する。改正案には、住民の被ばくを低減するための屋内退避について、継続期間や解除条件を盛り込んだ。全国の原発立地・周辺自治体は指針を基に避難計画を作っている。
現在の指針は、原則として原発5キロ圏内は避難、5〜30キロ圏内は自宅や避難所に屋内退避するが、退避の解除条件は具体的に示していない。昨年の能登半島地震後に自治体側から要望を受け、規制委は専門家らを交えた検討チームを設置、3月に報告書をまとめた。
改正案では解除条件として、原発の状態が安定し、放射性物質を含む空気の塊が周囲に滞留していないことと規定。退避開始3日後に国が解除の可否を判断する。退避中も物資の調達や通院のための外出は可能とした。
能登半島地震で課題となった、事故と自然災害が同時発生する複合災害への対応は「関係機関などと連携する必要がある」とし、具体案を示さなかった。