立候補者と無関係の写真が写った選挙ポスターが問題になった昨夏の東京都知事選を教訓に「候補者の氏名を見やすいように記載する」との規定が5月施行の改正公選法に盛り込まれた。しかし今月22日投開票の都議選でも一部の掲示板に衆院議員の顔が大きく写ったり、党首の写真のみが載ったりした「分かりにくい」(都民)ポスターが並ぶ。いずれも公選法に抵触しないとみられる。
東京都江東区内の掲示板に張られた1枚のポスター。向かって左側に都議選候補、その隣に同区選出の衆院議員がほぼ同じ大きさで並んでいる。衆院議員は昨年4月にバッジを着けたばかりで知名度は決して高くない。
同区の女性会社員(48)は「これではどちらが都議選候補か分からない。党が推したいのは衆院議員の方じゃないかと勘ぐってしまう」と、困惑した様子で話した。
いわゆる「2連ポスター」の一種だが、相手は党首や閣僚ではなく、ただの一衆院議員。他党からは「他の選挙を利用して自らの宣伝を堂々と行う信じられない行為」との批判が上がっている。