農林水産省は19日、これまでと別の民間調査会社を利用したコメの全国店頭平均価格を新たに2種類公表した。価格の推移を正確に把握するためとしているが、価格情報が乱立することでかえって消費者の混乱を招く恐れもある。新たな平均価格は随意契約の備蓄米放出による値下がりが反映されやすいとみられ、政策効果アピールの狙いもありそうだ。

 農水省はこれまで毎週月曜日、全国のスーパー約千店舗の販売データに基づく平均価格を公表してきた。同時に都道府県別のサンプル調査も発表していた。新たな平均価格は今後、毎週金曜日に公表し、一つは全国のスーパー約1200店舗、もう一つはドラッグストアやホームセンターも加えた約6千店舗の価格を集計する。

 小泉進次郎農相は19日、これまでは放出した備蓄米の販売がデータに反映されていないと記者団に説明。

 農水省によると、6千店舗のデータに基づく9〜15日のコメ5キロの平均販売価格は、前週比90円安の4046円だった。1200店舗を対象にした販売データでは、前週比111円安の4092円となった。