静岡市駿河区にある伝統工芸体験施設「駿府の工房匠宿」が観光客の人気を集めている。2021年のリニューアルオープンを機に、第一線で活躍する職人たちを招き、制作に励む様子を見学できるようにしたことなどが奏功した。施設の指定管理を担う企業の担当者は「伝統工芸を身近に感じてもらう機会になれば」と話す。
東海道五十三次の丸子宿があった地区にある匠宿は、江戸時代から市内で受け継がれてきた竹細工や染め物といった技術の継承を目的に1999年にオープンした。
インストラクターによる工芸体験には当初、約3万9千人の利用があったが、その後減少。14年度には約1万7千人と半分以下となった。
見直しを図ろうと、市は20年、施設の指定管理者を公募し、まちづくり事業や建築設計を手がけるデザイン事務所の創造舎(同市)に選定。施設をリニューアルした。
メインとなる工芸体験では、染め物などの職人が制作できる作業場を新設。職人たちに施設内で制作活動に取り組んでもらいつつ、工芸体験で講師役を務めてもらうよう見直した。