米上院司法委員会の公聴会に臨んだエミル・ボーブ氏=25日、ワシントン(ゲッティ=共同)

 【ワシントン共同】トランプ米大統領が東部ペンシルベニア州フィラデルフィアの連邦高裁判事に指名したエミル・ボーブ氏が25日、上院司法委員会の公聴会に臨んだ。トランプ氏の弁護士を務めた忠臣で、司法省高官として政権の不法移民対策を推進するため、司法判断を無視するよう部下に働きかけた疑いが浮上。判事としての適性を巡り審議が紛糾した。

 ボーブ氏が高裁判事に就任すればトランプ政権に有利な司法判断を出すのではないかとの懸念が高まっている。

 米メディアによると、ボーブ氏は3月に司法省の会合で、トランプ政権による敵性外国人法を適用したベネズエラ犯罪組織メンバーの国外追放について協議した際、裁判所が差し止め命令を出すことを憂慮。その場合に司法省が裁判所を無視する可能性に言及した。

 解雇された司法省の元職員が今月24日、内部告発した。ボーブ氏は公聴会で、内部告発は虚偽だとし「私は誰の腹心でもない」と強調した。上院司法委のダービン筆頭委員(民主党)はボーブ氏が「司法省の武器化を主導」したと批判した。