神戸市立王子動物園は26日、昨年3月に死んだ雌のジャイアントパンダ「タンタン」を剥製と骨格標本にして中国に返還したと発表した。神戸が阪神大震災からの復興途上にあった2000年、日中共同の繁殖研究目的で来園。帰属権のある中国への返還は元々決まっていた。
タンタンは震災発生と同じ年の1995年9月に誕生。復興に向けた明るい話題となり、市民らに愛された。当初は2010年に中国に返還予定だったが延長され、20年7月に設定された期限も新型コロナの影響で延期。21年に心疾患が判明し、国内最高齢の28歳だった昨年、生を全うした。今回は市が剥製の制作費など約730万円を負担した。