札幌市北区のコンビニで2024年2月、店員の男女3人を刃物で刺し1人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた無職宮西浩隆被告(45)の裁判員裁判が26日、札幌地裁(井戸俊一裁判長)であり、検察側は懲役30年を求刑した。弁護側は心神喪失だったとして無罪を主張、結審した。判決は7月2日。
検察側は論告で「精神障害の影響はあるが、犯行は悪いことだとの認識や、踏みとどまる力はあり心神耗弱だった」と指摘。法律の規定で減軽されるが、本来は無期懲役とするべき事案で、科せる中で上限となる懲役30年が相当とした。
弁護側は最終弁論で「妄想に支配された行為で、正常な部分が残っていたと確信できない」と主張。被告は「気持ちの整理が追いつかない。何も申し上げられず、すみませんでした」と謝罪した。
これに先立ち、被害者参加制度を利用し、当時刺されて負傷した女性が意見陳述。検察が代読し、ひと言「死刑を望みます」。遺族も検察を通じ「説明から逃げ、裁かれる罪を無きものにしてはいけない」と訴えた。