再審請求のため大阪高裁に向かう、緒方秀彦受刑者の弁護団=26日午後

 神戸市中央区で2005年、質店経営者中島実さん=当時(66)=が殺害された事件で、強盗殺人罪で無期懲役が確定した緒方秀彦受刑者(66)の弁護団が26日、大阪高裁に再審請求を申し立てた。「事件当日夜、現場から出てくる受刑者を目撃したとする通行人の証言の信用性に疑いがあり、犯人と断定できない」として無罪を主張する。

 弁護団は、一般人を参加させた再現実験結果と心理学者による意見書を新証拠として提出。事件と状況が似た夜間の屋外で距離などを再現した目撃実験の結果、参加者約50人のうち人物を識別できた確率は約5%にとどまり、証言の信用性は乏しいとしている。

 受刑者は岡山刑務所に服役中。確定判決では05年10月18日午後6〜8時ごろ、質店内で中島さんの頭を殴って殺害し、現金約1万円を奪った。店舗内から受刑者の指紋や足跡が検出された。