文部科学省は26日、大学院博士課程の学生に生活費や研究費を年に最大290万円支給する制度について、生活費の支援対象を日本人に限定する方針を固めた。これまでは支援内容に国籍による差を設けていなかったが、昨年度の受給者の4割を留学生が占めることが国会で問題視され、有識者会議で対応を議論していた。
文科省はこの日の会議で「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」の変更案を提示。「日本人学生の経済的不安を除き、博士課程に進学してもらう事業の趣旨を踏まえた。留学生は私費留学も多い」と説明した。研究費は引き続き留学生にも支給し、安定的な収入を得ている社会人学生も新たに対象とする。上部の委員会で了承を得た上で2027年度にも実施する。
制度は21年度に導入した。生活費として年180万〜240万円を支給し、研究費などと合わせて計290万円を受け取れる。文科省によると24年度の受給者は1万564人で、留学生は39%に当たる4125人。中国籍の学生は3151人で留学生の76%を占めた。