出港するクルーズ船「飛鳥2」=2021年11月、茨城県ひたちなか市

 国土交通省の有識者会議は26日、日本人のクルーズ乗客数を2030年に100万人とする目標を盛り込んだ報告書を取りまとめた。今後、同省は関係業界と連携し具体的な施策の検討を進め、他国に比べて低調な市場の活性化を後押しする。

 24年の日本人クルーズ人口は前年比約14%増の22万4千人。ここ数年は増加傾向だが、コロナ禍前の35万6千人(19年)には届いていない。

 報告書は、主要市場とされる北米や欧州と比べ日本市場は客足が伸び悩んでいると指摘。市場が成長すれば産業や雇用の創出、観光立国に貢献すると盛り込んだ。低価格や短期間などの手頃な企画や、交流サイト(SNS)を活用して若者層を取り込むことが重要だとしている。

 日本に関連した動きでは、日本郵船傘下の郵船クルーズの新造船が今年就航予定のほか、オリエンタルランドのディズニークルーズが28年度の就航を目指している。