宮城県栗原市の東北自動車道で2023年5月、故障により停車中のバスに大型トラックが追突、乗客のネパール人留学生ら3人が死亡した事故で、事業用自動車事故調査委員会は4日、調査報告書を公表した。トラックの30代男性運転手は並走車に気を取られて前方を注視せず、バス側も十分な追突防止策を取らなかったと指摘した。
報告書などによると、23年5月16日夜、走行車線を走っていた大型トラックの運転手は、前の車を追い越すため右側車線に移ろうと考え、右後方の並走車に注意を向けていた。この時、走行車線にバスが止まっており、前の車は避けて通過したが、トラック運転手は気づかずに追突した。
長時間労働による疲労が判断の遅れに影響した可能性があり、運行会社の監督が不十分だったとしている。
バスはハザードランプを点滅させていたが、発炎筒や停止表示器材を使用せず、後続車に停車を知らせる危険防止の措置が不十分だったとした。冷却水不足でエンジンが停止したとみられる。