佐賀駐屯地に到着した陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイ=9日午前、佐賀市

 陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイ1機が9日、経由地の高遊原分屯地(熊本県)から、同日開設した佐賀駐屯地(佐賀市)に到着した。8月中旬までに暫定配備先だった木更津駐屯地(千葉県)から全17機が移駐し、配備が完了する予定。九州・沖縄の防衛力を強化する「南西シフト」の一環で、島しょ部への隊員輸送などを担う。

 オスプレイは開発段階からトラブルが多く、乗員が死亡する重大事故が相次いでいる。防衛省はこれまで「累次の機会に安全性を確認している」と説明しているが、懸念は根強い。

 陸自によると、駐屯地は佐賀空港に隣接し、空港の滑走路を使う。隊員数は約420人。駐屯地では9日、開設式が開かれた。西部方面総監の荒井正芳陸将は訓示で、中国やロシアなどの活動の活発化に触れ「九州、沖縄の防衛の重要性は年々高まっている。佐賀駐屯地は戦略的に極めて重要だ」と述べた。駐屯地の正門前では配備に反対する市民らが抗議活動をした。

 オスプレイの主任務は離島防衛専門部隊「水陸機動団」(長崎県)の輸送で、今後連携訓練に取り組む。