国会議事堂
 AIが予測した参院選の投票率

 20日投開票の参院選の投票率を、専門家が人工知能(AI)を使って予測したところ、48・3%になるシナリオが最有力との結果が出た。2019年の48・8%に近い水準で、争点が不明確なまま選挙戦が終わると分析した。ただ議論の活性化などで投票率は上がるとし、50〜60%台になる可能性も示した。

 第一生命経済研究所の柏村祐主席研究員が調べた。過去の投票率や内閣支持率、物価や雇用の指標、SNS投稿など、6月末までさまざまなデータを学習したAIが、三つのシナリオを導き出した。

 最も起こりやすいとされたのは、予測投票率が48・3%の「無風・低位安定」シナリオだ。与野党が明確な争点を示せず、政治への諦めが有権者の投票行動を鈍らせるとみる。

 次が「争点明確化」シナリオで、55・2%。「減税か、財政再建か」といった対立軸がはっきりし、無党派層や若年層の関心を引き出すと予想した。

 またAIは、大きな政治スキャンダルなどがあれば「国民の怒り沸騰」シナリオが起こり得ると分析。投票率は62・0%になるとみる。