福井県敦賀市が設置した第三者調査委員会は9日、昨年8月に男性職員=当時(38)=が自殺したのは、長時間勤務や上司のパワーハラスメントなど公務による強い精神的負荷が原因と考えられるとする報告書をまとめた。委員長の内上和博弁護士から報告書を受け取った米沢光治市長は「重く受け止め、対応をしっかりやっていきたい」と述べた。
職員は北川尚希さん。報告書によると、昨年4月に係長に昇任してから業務が量的、質的に著しく増大し、亡くなる直前の3カ月間で1カ月当たりおおむね80時間以上の時間外勤務をしていたと認定。また、上司の課長が他の職員の前で強い語気で叱責したり、担当業務を取り上げて自ら行ったりするなどしたことは、パワハラに該当すると認められるとした。
内上弁護士はこの日の調査委の会合で「職場のストレスで精神的な病気を発病し、正常な判断ができない状態で命を絶った」と指摘した。
北川さんの父親が原因を究明するよう求めたことを受け、市は昨年12月、内上弁護士ら3人で構成する調査委を設置した。