厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は9日、認知症のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の薬価見直しを巡り議論した。患者1人(体重50キロの場合)当たり年約298万円と高額で、費用対効果を検証して値下げする方向。今後具体的な価格などを協議する。
レカネマブ(商品名レケンビ)は、認知機能の低下を遅らせる薬。軽度認知症と、その前段階である軽度認知障害の人を対象としている。体重1キロ当たり10ミリグラムを点滴で2週間に1回投与する。期間は原則1年半まで。
中医協は2023年12月、公的医療保険の適用対象とすることを了承した。薬価は1瓶(500ミリグラム)11万4443円。患者の自己負担は年齢や所得に応じて薬価の1〜3割で、自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」の対象にもなる。
高額薬剤は医療保険財政への影響が大きいため、費用対効果を検証した上で薬価を設定し直すルールがある。レカネマブの薬価を引き下げる場合、下げ幅は最大でも15%にとどめると23年時点で確認されていた。