記者会見する国連のグテレス事務総長=14日、米ニューヨークの国連本部(共同)

 【ニューヨーク共同】国連は14日、2030年までの達成を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」の進捗について「達成もしくは順調」と判断できるのは18%にとどまるとする報告書を公表し「大きく遅れている」と危機感を示した。グテレス事務総長は「揺るぎない意思を持ち、直ちに団結すれば達成可能だ」と各国に呼びかけた。

 今回の報告書で十分にデータがあり、評価可能だったのは全169項目のうち139。「達成もしくは順調」に「ゆるやかな前進」を加えても計35%だった。18%が「後退」と判断された。評価方法が一部変更されたが、昨年は「達成もしくは順調」が17%、「後退」も17%だった。

 国連本部で記者会見したグテレス氏は15年以降に数千万人以上が電気やインターネットを利用できるようになったことや、再生可能エネルギーの普及などを進展として強調した。

 「極度の貧困で生きる人は8億人を超え、気候変動の影響も深刻化している」と指摘。紛争とSDGsも関係があるとし、ガザやウクライナでの停戦の必要性を訴えた。