福岡県篠栗町にある観光地の寺院「南蔵院」が5月、外国人観光客だけから拝観料の徴収を始めたことが分かった。見学できる内容は国籍を問わず同じで、識者は「外国人だけが支払うのは不透明だ」と指摘。林覚乗住職(72)は17日までの取材に、外国人の訪問増加に伴いごみ放置など迷惑行為が増え、必要となった経費に充てるためだと説明した。
文化庁宗務課は「各寺院の拝観料の徴収方法は把握していない。是非も答えられない」とした。外国人政策は参院選の争点に浮上。今後、外国人観光客からの費用徴収の在り方も議論になる可能性がある。
南蔵院には、銅製では世界最大級とされる全長約41メートルの釈迦涅槃像がある。外国人だけの拝観料は5月7日から始めた。像がある区域の入り口に英語で「訪問者」と記した看板を置き、レーンに並んだ外国人が窓口で300円を支払う仕組み。
日本人は無料。日本語の看板説明はなく、窓口の職員や警備員が「日本人ですか」などと口頭で確認し、レーンに並ばずに通るよう促す。