東京都町田市で14日、高齢者施設の送迎車が坂道を下って電柱に衝突し、1人が死亡、8人が重軽傷を負った。警視庁が車を調べたところ、シフトレバーがバックに入っていたにもかかわらず、前進していたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。下り坂のため前進し、エンストしてブレーキが利きにくくなった可能性がある。同様の現象は以前相次ぎ、国土交通省は注意喚起している。
捜査関係者によると、事故を起こしたのはオートマチック(AT)車。シフトレバーが「R(後進)」に入っていることを知らせる音が、ドライブレコーダーで確認された。運転していた施設アルバイト職員の女性(73)は「ブレーキが利かなくなった」と話している。
国交省によると、AT車はシフトレバーを上り坂で「D(前進)」のまま後進したり、下り坂で「R」のまま前進したりして、ギアと反対方向に進むとエンジンに負荷がかかりエンストが発生。ハンドルが重くなったり、通常以上の力でペダルを踏まないと止まらなかったりする。