大相撲名古屋場所の初日、幕内力士の土俵入りが行われた新会場のIGアリーナ=13日、名古屋市

 大相撲名古屋場所が新会場のIGアリーナ(名古屋市北区)で開催されている。年6回ある本場所の常設会場の変更は、東京・両国国技館が落成した1985年初場所以来で40年ぶり。地方場所では81年九州場所以来という歴史の転換点でも、国技は滞りなく進行している。

 13日の初日はこけら落とし興行。十両以上の関取衆を除き、初めて会場入りする力士が大半だった。注目の新横綱大の里は雲竜型の土俵入りを本場所で初披露し、快勝で白星発進した。

 アジア最大規模とされる同アリーナは約30mの天井高があり、バックヤードも広々としている。つり屋根に設置された照明により、土俵下は「今までと変わらず暑い」との声も聞かれるが、出番後は3、4人が入れる広々とした風呂で汗を流すことができる。

 升席、いす席も幅がより広くなり、総席数は約7800席。15日間のチケットは既に完売した。音羽山親方(元横綱鶴竜)は「力士や関係者がお客さんと接する場所が少ないのが、ちょっと残念なところ。来年以降は改善されて、徐々になじんでいくのではないか」と期待した。