防衛省

 防衛省は18日、自衛隊の全ての部隊で、女性自衛官の配置制限がなくなったと明らかにした。除染作業などに当たる陸上自衛隊の特殊武器防護隊や化学防護隊への配置制限を同日付で解除し、8月以降、女性の部隊配置を始める。海上自衛隊、航空自衛隊は既に配置制限がなくなっており、自衛隊の全ての部隊で、女性を配置できない縛りが解けたことになる。

 防衛省によると、最後まで制限が残っていた防護隊は、放射性物質や化学剤などで汚染された場所で、偵察や除染といった活動を任務としている。不妊につながるリスクがあるのが理由だった。

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故では、被災者の除染作業などに、男性自衛官だけでは対応できないとの課題が浮上。防護服や特殊車両の性能向上で安全性が増し、放射線被ばく量を制限すれば、女性の活動も可能と判断した。

 女性自衛官はかつて、直接戦闘、戦闘部隊の直接支援、肉体的負荷が大きい、それぞれの職域には配置されなかった。

 防衛省は男女共同参画を進める立場から、1993年に考え方を見直した。