参院選の結果を受け、経済界からは21日、与党への「厳しい民意の表れ」を真摯に受け止めるよう求めるコメントが相次いだ。衆院に続き参院でも少数与党となったことで、政策の推進力が弱まることを懸念する声も上がった。
経団連の筒井義信会長は物価高対策に加え、自由で開かれた国際経済秩序の維持や税・社会保障の一体改革など「中長期の視点で取り組むべき構造的な課題が山積している」と指摘し「自民、公明両党を中心に、安定した政治の態勢が確立されることを強く期待したい」と表明した。
経済同友会の新浪剛史代表幹事は「国民の政権運営への不安が高まったことの表れだ」と強調。伸長した野党に対しても「より具体的で実現可能性のある政策を提示し、責任を持って国民の期待に応えるよう求めたい」と呼びかけた。
「政局の流動化は避けられないが、政治の安定なくして持続的な経済成長は望めない」と危機感をあらわにしたのは、日本商工会議所の小林健会頭。「連立の枠組みがいかなる形になっても、新たな政治体制を構築していただきたい」と迫った。