食料の配給を受けようと集まったパレスチナ人ら=20日、ガザ中部ヌセイラト(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザの保健当局は21日、食料配給関連の住民の死者が千人を超えたと発表した。栄養失調で餓死者が続出するほどの人道危機だが、食料配給を受けたくても米イスラエル主導の配給拠点ではイスラエル軍の攻撃で死傷者が相次ぐ。空腹を紛らわそうと腹に石を巻き付けたり、力なく道端で倒れたりする住民も。飢えに苦しむ男性は「いっそ攻撃を受けて死にたい」と訴える。

 米国とイスラエルが主導する「ガザ人道財団」は5月27日に食料配給を開始した。食料を求め殺到した住民にイスラエル軍が発砲し、連日のように死傷者が出ている。軍は「威嚇射撃だった」などと強弁する。

 財団の配給拠点はガザ中部と南部に計4カ所のみ。従来は国連主体の配給拠点が約400カ所あった。多くの住民は長距離移動しなければ拠点にたどり着けず、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は「女性や子どもら、最も立場の弱い人に支援が届かない」と財団の配給を非難した。