欧州連合(EU)のコスタ大統領は22日、訪問先の大阪市で共同通信の単独会見に応じた。トランプ米政権の関税政策や地政学的な緊張の高まりを背景に、経済安全保障の強化に共同で取り組む「競争力アライアンス(同盟)」を新設し、日本との連携を「新たな段階に発展させたい」と述べた。自由貿易や国際秩序の維持に向け、有志国と協力する意向も示した。
コスタ氏が昨年12月の大統領就任後、日本メディアの単独インタビューに応じるのは初めて。EU行政執行機関トップのフォンデアライエン欧州委員長とともに23日に東京で石破茂首相と会談し、共同声明を発表する。
日EUは多国間貿易体制の推進や、鉱物資源の確保などに取り組む競争力同盟新設で合意する。コスタ氏は首脳会談の最大の成果になると説明。「課題に共同で取り組むだけでなく、連携によって共通の繁栄を追求する」と訴えた。
EUは日本が主導する環太平洋連携協定(TPP)との協力に意欲を示しており、コスタ氏は石破氏とも話し合うと明言した。