海上自衛隊の潜水艦修理契約に絡み、川崎重工業が架空取引で裏金を捻出し、乗員に物品を提供した問題で、防衛省が、海自トップの斎藤聡海上幕僚長らを含む多数の隊員を処分する方針を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。
防衛省は30日、処分結果とともに防衛監察本部による特別防衛監察の最終報告を公表する。最終報告では、一部の乗員が私的な物品を受け取ったと認定する見通し。斎藤氏は管理監督責任を問われるという。
一連の不正は、大阪国税局の税務調査をきっかけに発覚した。防衛省が昨年12月に発表した特別防衛監察の中間報告によると、川重は養生材を取引先企業に大量発注したよう装って資金を作り、一部を裏金としてプール。乗員への私的な物品の購入などに充てていた。架空取引は遅くとも約40年前に始まり、額は2023年度までの6年間で計約17億円に上る。
海自は現在、潜水艦を25隻保有。川重と三菱重工業が神戸市で製造し、3年に1回の定期検査なども担っている。