【マニラ共同】フィリピン最高裁は25日、ドゥテルテ前大統領の長女サラ副大統領に対する弾劾訴追は違憲だと判断した。サラ氏はマルコス政権が弾劾裁判などで「政敵の組織的壊滅」を図っていると主張していた。弾劾裁判で罷免される可能性がほぼなくなり、ドゥテルテ陣営が勢いづきそうだ。サラ氏の弁護団は判断を歓迎する声明を出した。
最高裁は、サラ氏に対して昨年12月に弾劾訴追の告発が3件あったが下院が対応せず、今年2月の4件目の告発について下院が訴追したことを問題視した。「同一人物に対して1年間に2回以上の弾劾手続きを始めることはできない」との憲法規定に違反していると全会一致で判断した。
弾劾裁判は最高裁判断の影響を受けないと主張する上院議員もいるが、大統領府は25日、最高裁判断を尊重すべきだと表明した。
上院は6月、サラ氏を裁く弾劾裁判所をいったん設置した後、違憲でないかどうか確認を求めるため、訴追した下院に差し戻していた。