津波警報が出た太平洋沿岸で30日午前、高台に避難する車で渋滞が発生した。海水浴場は次々に閉鎖され、夏休みシーズンの観光地は混乱。大きな揺れがない中で防災行政無線が鳴り響き、住民らは「訓練かと思った」と驚いた様子で話した。
北海道釧路市では高台へ向かう車で渋滞が起きた。市内の大学に通う男性(18)は注意報を聞いて1人暮らしの自宅を急いで出た。「大学で避難方法を学び、何かあればとにかく逃げるようにと教えられたので」と話した。家族旅行中の札幌市の男性(58)はゲストハウスの従業員に促され高台へ避難した。「声をかけられなければ、こんなに急いで避難できなかったかもしれない」
東日本大震災の被災地にも緊張が走った。
宮城県石巻市の日和山には多くの住民が避難し、心配そうに海の様子を見つめていた。気仙沼市や南三陸町では防災行政無線を通じて警報が市民に周知され、海水浴場は全て閉鎖に。同町で民宿を営む菅原さやかさん(44)は「揺れていないのにサイレンが鳴ったので訓練かと思った。海岸にいる人が一斉にいなくなった」と振り返った。