岡山理科大などの研究チームは31日、1600万〜1400万年前に生息したとされ、絶滅した海生哺乳類「ネオパラドキシア」の化石を日本で初めて確認したと発表した。北海道内で以前発掘された化石を再調査して判明し、同日付で海外の学術誌に掲載された。
研究チームによると、これまで米国西海岸のみで見つかり、今回で世界4例目。全長は推定約2・5メートルという。浅い海に生息していたと考えられるが詳しい生態は分かっておらず、サイに近い動物だという説やゾウに近いとの説などがある。
研究チームは、1996〜2000年に北海道阿寒町(現釧路市)で発掘され、海生哺乳類の「束柱目」の一種「パレオパラドキシア」とされてきた3点の頭骨の化石を再調査。うち1点は、骨が頑丈でサイズが大きいことなどから、同じ束柱目のネオパラドキシアと確認した。
岡山理科大の学生として研究に携わった筑波大大学院生の浅井勇馬さん(23)は「今後は水中でどんな生活をしていたかなど具体的な生態に迫りたい」と話した。