名鉄広見線の新可児-御嵩駅間では、色が違う電車が日替わりで走っています。ふと気になりました。この区間を走る電車は、いつ入れ替わっているのでしょう。設備面やダイヤ面から、電車を取り換えるタイミングが難しいこの区間。しかし、時刻表をじっくり見てみると、わずか数分の入れ替わりのタイミングが見つかりました。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

御嵩駅に停車中の6013編成。名鉄広見線新可児―御嵩駅間を走る電車は、いつ入れ替わるのか

■中間改札の「壁」

 まずは施設面から見てみます。

 新可児駅には三つのホームがあります。1番線が新可児-御嵩駅間の電車専用のホーム。2008年のワンマン化に合わせ、中間改札が設けられました。2、3番線は犬山駅方面の電車のホームで、ほとんど3番線からの発着です。

新可児駅の略図
広見線新可児―御嵩駅間は、1本の電車しか走ることができない=2024年3月2日

 新可児駅2番線で御嵩駅方面の電車が発着することは、線路の配置としては不可能ではありません。しかし、ワンマン化により1番線に中間改札が設けられたことで、中間改札がない2番線から御嵩方面への電車の発着はなくなりました。

 新可児-御嵩駅間には、電車のすれ違いができる設備がありません。以前は明智駅(可児市)ですれ違いができましたが、朝ラッシュの本数が減った2023年3月のダイヤ変更以降に設備が撤去されました。このため、新可児-御嵩駅間には1本の電車しか入れなくなっています。

■6分間の「空白」

 続いてダイヤを見てみます。

 時刻表を見ると、広見線の新可児-御嵩駅間の所要時間は、片道12分ほど。電車が終点の新可児と御嵩の両駅で、それぞれ3分で折り返すと、30分間隔のダイヤが成立します。

30分間隔で電車が走る名鉄広見線の新可児-御嵩駅間=2024年7月12日

 日中から夜にかけて、御嵩駅行きの電車は、新可児駅を19分と49分に発車します。平日ダイヤでは11時以降、休日ダイヤは9時以降。きれいな30分間隔です。

 御嵩駅発も4分発と34分にそろっています。途中の各駅も同様です。

 しかし、新可児発の電車は、21時49分発の次は22時25分発。ここで間隔が36分空きます。この差し引き6分が、電車が入れ替わるタイミングです。

 実際に深夜の新可児駅付近で確認してきました。

 

■深夜の回送2本

御嵩駅から来た新可児駅行きの電車。6013編成=新可児駅付近
新可児駅の略図(再掲)

 22時15分。御嵩駅からの電車が新可児駅1番線に到着します。この日の日中、...