名鉄広見線の新可児-御嵩駅間では、色が違う電車が日替わりで走っています。ふと気になりました。この区間を走る電車は、いつ入れ替わっているのでしょう。設備面やダイヤ面から、電車を取り換えるタイミングが難しいこの区間。しかし、時刻表をじっくり見てみると、わずか数分の入れ替わりのタイミングが見つかりました。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

■中間改札の「壁」
まずは施設面から見てみます。
新可児駅には三つのホームがあります。1番線が新可児-御嵩駅間の電車専用のホーム。2008年のワンマン化に合わせ、中間改札が設けられました。2、3番線は犬山駅方面の電車のホームで、ほとんど3番線からの発着です。


新可児駅2番線で御嵩駅方面の電車が発着することは、線路の配置としては不可能ではありません。しかし、ワンマン化により1番線に中間改札が設けられたことで、中間改札がない2番線から御嵩方面への電車の発着はなくなりました。
新可児-御嵩駅間には、電車のすれ違いができる設備がありません。以前は明智駅(可児市)ですれ違いができましたが、朝ラッシュの本数が減った2023年3月のダイヤ変更以降に設備が撤去されました。このため、新可児-御嵩駅間には1本の電車しか入れなくなっています。
■6分間の「空白」
続いてダイヤを見てみます。
時刻表を見ると、広見線の新可児-御嵩駅間の所要時間は、片道12分ほど。電車が終点の新可児と御嵩の両駅で、それぞれ3分で折り返すと、30分間隔のダイヤが成立します。

日中から夜にかけて、御嵩駅行きの電車は、新可児駅を19分と49分に発車します。平日ダイヤでは11時以降、休日ダイヤは9時以降。きれいな30分間隔です。
御嵩駅発も4分発と34分にそろっています。途中の各駅も同様です。
しかし、新可児発の電車は、21時49分発の次は22時25分発。ここで間隔が36分空きます。この差し引き6分が、電車が入れ替わるタイミングです。
実際に深夜の新可児駅付近で確認してきました。
■深夜の回送2本


22時15分。御嵩駅からの電車が新可児駅1番線に到着します。この日の日中、...