全国約130カ所で末期がんや難病患者向け有料老人ホーム「医心館」を展開するアンビスホールディングス(東京)は8日、入居者への訪問看護で実態のない診療報酬の請求が少なくとも約6300万円分判明したとする特別調査委員会の報告書を発表した。
こうした老人ホームは「ホスピス型住宅」などと呼ばれ、アンビスは東証プライム上場で最大手。調査委は法令順守意識の低さや営利優先の問題を指摘したが、同社は「組織的な不正や不正請求はないことが認定された」と主張している。
医療保険が適用される訪問看護は原則30分の訪問が必要だが、報告書は数分程度の短時間の訪問が9900件あったと指摘。「複数のスタッフで訪問した」と加算報酬を請求していたが、実態が認められないケースも約1300件あった。
勤務の記録と訪問看護記録が合わない例などもあったほか、訪問介護でも裏付けを確認できない請求が約40万円あった。