大成建設は8日、海洋土木大手の東洋建設を買収すると発表した。株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化を目指す。両社の2025年3月期連結売上高を合わせると約2兆3200億円で、ゼネコン業界2位の大林組(約2兆6200億円)に迫る。
大成は「スーパーゼネコン」と呼ばれる大手5社の一角。人口減少を受けて国内市場の縮小が避けられない中、規模拡大で生き残りを図る。人手不足や資材価格の高騰などで業界を取り巻く環境は厳しさを増しており、同様の動きが広がる可能性もある。
東洋建設には、任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス」(YFO)のほか、前田建設工業を傘下に置くインフロニア・ホールディングスが前田を通じて出資している。いずれも過去に東洋建設を買収する方針を示していたが、実現しなかった。
大成による買い付け価格は1株1750円で、最大で1317億円分を買う見通し。