【エルサレム共同】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は9日、パレスチナ自治区ガザの中心都市、北部ガザ市で急性栄養失調と診断された5歳未満の子どもの数が、7月下旬は3月上旬に比べ3倍以上に増えたとする調査結果を明らかにした。急性栄養失調は急速に体重が減り、直ちに治療を施さなければ死に至る可能性が高い危険な状態とされる。
イスラエルはガザ市制圧計画を決定しており、攻撃拡大に踏み切れば人道危機がさらに深刻化するのは必至だ。UNRWAの清田明宏保健局長は「このままでは前代未聞の『人災による飢饉』が現実となってしまう」と強い懸念を表明。物資搬入の大幅な拡大が必要だと訴えた。