日本武道館=2020年8月

 終戦から80年となった15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれる。遺族らは先の大戦で犠牲になった約310万人を悼み、平和を誓う。厚生労働省によると、事前に参列意向を示した遺族約3400人のうち、戦後生まれが53%と初めて半数を超えた。戦争を直接知る世代が減り、記憶継承の在り方が問われている。

 石破茂首相は就任後初めての参列。式辞内容を巡っては、安倍晋三元首相が2013年以降、アジア諸国への加害と反省に言及せず、その後の首相も踏襲してきた。

 正午の時報に合わせて全員が黙とう。

 天皇陛下は、昨年までのお言葉に「深い反省」との文言を盛り込まれている。

 遺族代表として追悼の辞を述べるのは、陸軍兵長だった父を亡くした埼玉県の江田肇さん(82)。

 厚労省によると、参列意向の戦没者遺族は70代以上が7割弱を占めた。配偶者は、新型コロナウイルス禍だった21年に出席ゼロとなり、その後は1人や2人が続いていたが、今年、参列するとした人はいなかった。父母の参列は11年から途絶えている。