沖縄県・尖閣諸島周辺の警備に投入された大型無人航空機「シーガーディアン(MQ9B)」(海上保安庁提供)

 政府が、沖縄県・尖閣諸島周辺への中国海警局船による領海侵入が相次ぐ現状を受け、上空からの警備に海上保安庁の大型無人航空機「シーガーディアン(MQ9B)」を投入し、本格運用を始めたことが分かった。複数の日中関係筋が18日、明らかにした。尖閣諸島周辺の領海は約4740平方キロと広大なため、最新鋭のレーダーや監視機器を装備したシーガーディアンを活用。従来の巡視船や有人航空機と合わせて監視力を高め、警備体制の拡充につなげる。

 中国海警局船は尖閣周辺での航行を常態化させ、2024年は年間の航行日数が計355日となり、12年の国有化後、最多を更新した。シーガーディアン投入は尖閣諸島への主権を主張する中国側の一方的な現状変更の試みを阻止する強い姿勢を示す狙いもある。

 日中関係筋によると、シーガーディアンは4月以降に複数回、日本領空を含む尖閣周辺の上空を飛行。海警局船の警戒監視任務に当たり、画像撮影も行った。中国海警局船が領海侵入しないよう上空から退去警告を出す措置も検討する。