茨城県つくば市と東京・秋葉原を結ぶ、つくばエクスプレス(TX)が24日、開業20周年を迎える。建物がほとんどなかった地域に住宅や商業施設、オフィスビルなどが誕生。利便性の向上で沿線自治体では子育て世代が増加した。新たな大動脈が地域発展の礎を担っている。
総務省が発表した1月1日時点の人口動態調査によると、つくば市の昨年1年間の人口増加率は1・47%で、市区部としては全国3位、東京23区を除くと全国1位の伸び率だ。五十嵐立青市長はTX効果を認めた上で「渋滞の深刻化や学校インフラの整備など、新たな課題に対応していく」と話した。
千葉県流山市はTX開業時の2005年と比べ、人口が41・2%増加。「流山おおたかの森駅」周辺の整備では、緑を増やすなど景観面も重視。市の担当者は「良質な街並みにつながった」と振り返る。駅周辺はマンションが並び、20年前とは風景が一変した。
1日当たりの輸送人員数も右肩上がりだ。05年度は約15万人だったが、24年度は40万人超に。コロナ禍で一時は利用者数が落ち込んだが回復した。