公設秘書の給与を不正に受給した疑いがあるとして、東京地検特捜部が関係先を家宅捜索した日本維新の会の石井章参院議員(68)=比例=の元公設秘書が28日までに共同通信の取材に応じ「国から支払われた給与の一部を事務所に戻す仕組みになっていると前任者から伝えられた」と証言した。勤務実態のない秘書の給与の詐取疑惑に加え、事務所へのキックバックの疑いもある。
共同通信は2023年5月、石井氏が代表の政党支部が、別の秘書が経営する企業が入った茨城県取手市内の建物の賃料を事務所費に計上していたとする記事を配信。その際に元秘書に取材していた。
元秘書によると、給与の一部を戻す理由は「秘書が給与をもらいすぎているから」と説明されたという。この元秘書は全額を受け取っていた。
東京地検特捜部は今月27日、詐欺容疑で東京・永田町の議員会館事務所や取手市にある地元事務所を家宅捜索。関係者によると、公設秘書に勤務実態がない疑いがあり、今後、押収資料を分析するなどし、秘書の稼働状況や資金の流れを解明する。