「風が吹けば、桶屋が儲かる」―。
 1つの事象の発生が、次々と影響が及んでいくことで、一見因果関係がないと思われる事柄や結果へと結びつくことがあるという意味の、江戸時代からのことわざです。

 多少、展開に無理があるようにも思えますが、桶屋が儲かるまでの流れは次のとおりです。
① まず、江戸の町に大風が吹いて「土埃(つちぼこり)が立つ」
② 次に、土埃が人の目に入ると「失明する人が増える」
③ その当時、失明した人は三味線弾きを生業として生計を立てることが多かったことから「三味線の需要が高まる」
④ 三味線の材料となる「猫の皮が品薄になる(=猫が減る)」
⑤ 猫の天敵の「ネズミが増える」
⑥ 結果、増えたネズミは桶をかじるので「桶屋が儲かる」

 この因果でもってひと儲けしようとするなら、大風が吹いた段階で、桶か、もしくは桶の材料(槙とか杉とか)を買い占めておく、というのがよいかもしれません。
あるいは、一連の需給の変化の過程を情報として仕入れ、それぞれの段階で商いに結びつけるというのもありかもしれません。

◆個人投資家が知り得る情報は
 ここからは、短期的に個別株式投資で収益を求めようとするには、という前提で考えてみましょう。...