日置敏明市長にフィルムを手渡す神山征二郎さん(右)=郡上市役所

 岐阜市出身の映画監督、神山征二郎さん(80)が10日、郡上市白鳥町などで撮影した監督作品「さくら」(1994年公開)の35ミリフィルムや関連資料を郡上市に寄贈した。映画は、白鳥町出身の旧国鉄バス車掌で、太平洋と日本海を結ぶ街道沿いに桜を植え続けた故佐藤良二さんの生涯を描いた人間ドラマ。神山さんは「フィルムの力のある映像を通して、地元の人に佐藤さんの情熱が伝われば」と願った。

 映画「さくら」では、俳優の篠田三郎さんが佐藤さんを演じたほか、田中好子さん、樹木希林さんらが出演している。モントリオール国際映画祭の正式招待作品で、上映時間は1時間48分。

 10日は神山さんが直接、市役所を訪れ、日置敏明市長にフィルム7巻を手渡した。神山さんは「昭和30、40年代を再現した作品。当時の郡上の街並みを伝える文化的な価値もある」と紹介し、「子どもたちにも見てもらい、佐藤さんの志を感じ取ってほしい」と思いを語った。

 郡上市などは、毎年春にマラソンイベント「さくら道国際ネイチャーラン」を開催するなど、佐藤さんの功績を積極的に発信している。フィルムは市歴史資料館で保管し、上映会の開催などを検討する方針。フィルムのほか、パンフレットや台本など貴重な関連資料を受け取った日置市長は「郡上の歴史をも伝える貴重な映画。有効に活用したい」と感謝状を贈った。