発見場所の用水路でカワシンジュガイを手にする繁田理恵さん=郡上市八幡町島谷
発見されたカワシンジュガイ。気泡をまとい、呼吸をする様子が確認できる=郡上市八幡町島谷、服部酒店

 環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているカワシンジュガイが、岐阜県郡上市八幡町島谷の吉田川沿いで見つかった。長良川本流の左岸側で生存個体が確認されるのは初めて。専門家は「吉田川に生息域がある可能性がある」と推測している。

 カワシンジュガイは浅い川底に生息する二枚貝。清らかな川でしか生きられず「絶滅危惧ⅠB類」に指定。中・西日本の生息地は石川、岐阜、岡山、広島県のみで、希少性は極めて高い。県内では神通川(宮川)、庄川、木曽川(飛騨川)、長良川水系で確認されているが、局所的かつ少数しか生息していないという。

 見つかった個体は長さ約14センチ、重さ約200グラムで推定50歳。東京から渓流釣りに訪れていた会社員繁田理恵さんが、8日に八幡小学校裏手の用水路で餌となる川虫を採取していて発見した。

 生態の広域調査を手掛けてきた岐阜大応用生物科学部の伊藤健吾准教授によると、長良川水系では長年にわたり、同市大和町の水路でしか見つかっていなかったという。

 一方、発見場所の下流部では過去に「死殻の発見事例がある」と指摘。持ち込まれた可能性も排除できないが、「同じ水路内で複数の個体が出てくれば、吉田川に生息域があると考えられる」と話した。

 貝は一時的に、繁田さんが持ち込んだ発見場所近くの服部酒店で展示している。地元の児童が興味深く観察しているといい、店主の服部茂之さんは「川の清らかさを知る機会になれば」と笑顔を見せた。