ホルムズ海峡に停泊する船舶=5月(ロイター=共同)

 日本郵船や商船三井など日本の海運大手が、ホルムズ海峡周辺を航行する船の船員に基本給と同額の特別手当を支給していることが9日、分かった。労使交渉の成果で、米国のイラン攻撃に伴いホルムズ海峡が事実上封鎖された直後の3月上旬から実施。周辺海域を通る船は軍事行動の脅威にさらされており、危険業務に対する手当を厚くすることで船員の確保を図る。

 海運各社が加盟する国際船員労務協会などと、交通運輸労組の国際組織である国際運輸労連が、労使交渉でホルムズ海峡やペルシャ湾、オマーン湾を「軍事行動区域」に指定した。これにより、指定海域の航行に従事する船員は、滞在日数に応じて基本給と同額の手当を受け取る。海域に入った段階で基本給5日分が加算され、以降は1日ごとに追加支給される。

 船員が死亡した場合の補償なども2倍となるほか、船の安全強化策の実施も求められる。航行したくない船員には拒否権が与えられる。

 海運大手の関係者は「待遇を上げたことで乗船したいという船員もいれば、危険が伴うのであれば行きたくないという船員もいる」と明かす。