瑞浪市が買い戻した約800年前の銅鏡=同市明世町、市陶磁資料館

 岐阜県瑞浪市は、大正時代に同市日吉町の酒波神社で出土し、所在不明になっていた約800年前の銅鏡1面を買い戻した。約90年ぶりの里帰りとなり、市有形文化財への指定を検討している。市陶磁資料館(同市明世町)で6月12日まで展示、公開している。

 同館によると、銅鏡は平安時代末期から鎌倉時代初期の作とみられ、直径9・1センチ、重さ46・3グラム。名称は「洲浜山吹双鳥鏡(すはまやまぶきそうちょうきょう)」で、裏面に描かれた浜辺やヤマブキ、2羽の鳥に由来する。

 鏡を納める箱には「瑞浪市日吉町出土」と記されている。約100年前に発見され、10年後の1932年、中濃や東濃の遺跡を調査していた考古学者の林魁一(1875~1961年)が、酒波神社の出土遺物だと考古学雑誌に報告した。しかし、銅鏡はその後、所在不明になっていた。

 同市に戻ったのは、名古屋市の古物商が箱の記載を見て、持ち込んだのがきっかけ。今年3月、瑞浪市文化財審議会が資料と照らし合わせて酒波神社の出土品と断定したため、市が買い戻した。粘土で型をつくり、熱い銅を流し込んで作られたとみられるが、型が使えるのは1度きりといい、同館学芸員の砂田晋司さん(45)は「世界に一つだけの銅鏡。地域の歴史を証明しているので、ぜひ見てほしい」と話している。

 同館は月曜日休館。無料で観覧できる。問い合わせは市陶磁資料館、電話0572(67)2506。