屋外でマスクを着けて歩く市民ら。ベンチに座っていた人もマスク姿だった=25日午後4時32分、岐阜市司町

 「あなたは屋外でマスクを外しますか」。通信アプリLINE(ライン)で読者とつながる岐阜新聞の「あなた発!トクダネ取材班」(あなトク)は、政府が発表した新型コロナウイルス対策のマスクの着用基準を緩和する見解について登録者に尋ねた。屋外で会話をほとんど交わさなければマスク着用の必要はないとされたが、寄せられたメッセージ141件のうち、マスクを「外す」が59件、「外さない」は65件と拮抗(きっこう)した。新規感染者数が高止まりする中、判断に迷う岐阜県民らの姿が浮かび上がった。

◆外す派、子どもの情操面危惧

 「外す」の回答には、子どもの健康、情操面で影響を危惧する声が目立った。

 多治見市のパート女性(47)は「マスクをしながら真っ赤な顔をして登下校しなくてもいいようになってほしい」と願った。郡上市の無職女性(40)は「過剰なコロナ対策はどうかと思う。子どもたちの日常を元に戻してあげたい」とし、「誰かが動き出さないと変わらない」と強調した。

◆外さない派「迷惑かけたくない」

 「外さない」の回答者には、他人に感染させたくないという意見が多かった。

 揖斐郡池田町の無職男性(71)は「ただの風邪ぐらいになるまでは自衛と他者への感染の観点から現状の対応策の変更はあり得ない」と言い切った。各務原市の主婦の女性(62)は毎日メディアが伝える新規感染者数を追ってしまうといい「報道を目の当たりにしていると、政府の緩和論は素直に受け入れられないし、マスクなしでの外出に踏み切れない」と明かす。岐阜市の医師の男性(46)は「不意にせきやくしゃみをして迷惑をかけたり、嫌な思いをさせたりすることもあるので、当面はマスクはするつもり」と言う。

◆もはや身体の一部

 マスク生活に慣れ過ぎて、外すことが怖い、恥ずかしいとする声もあった。

 「マスクを外すことに恐怖を覚える」と自らの感染経験を明かす岐阜市のパート女性(45)は「しばらく素顔を明かしていないので恥ずかしさもある」と話す。加茂郡七宗町の接客業の女性(26)は「ここまで来ると、マスクがないのは不安。もはや身体の一部。着けなくていい世の中になっても、自分は着けたままでいる」と断言した。

 メッセージは21日夕から23日正午まで募集した。残る17件は「どちらとも言えない」とする趣旨だった。

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